忍者ブログ

カタコト

FFとリボーン中心。FFはエアリス愛、リボは霧っ子にお熱です^^

2024.07.06
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

2011.11.15
順番バラバラですいません…。

ライフストリームといえば、やっぱり私としては「あの」場面がいまだに心に焼き付いて離れないわけですよ…。
7を始めたのはとても遅かったので(8のほうを先にクリアした)、ネタばれしった上でプレイしたのですが、それでもショックでしばらくゲームやめてしまったほどでした。

沈んでいくエアリスの顔が穏やかなのが、また切なく悲しかった…


相変わらず文章拙いですが、愛はあるよ…ということで、続きからどうぞ^^







『ライフストリーム』










声が、聞こえたような気がした――・・・・・






彼女の体は、ゆっくりと ゆっくりと 沈んでいった。
深い青に飲み込まれていく。
なのに体はふわふわと浮いているようで、その不思議な感覚に、彼女は静かに瞼を開けた。


(・・・・・・空みたい、ね・・・・・・。)


今はもう遠い水面に淡く輝く光が反射して、青く輝く様は、旅の途中に幾度となく見上げた空を思い出させた。

ぱたり

ふと、水面がはかなく揺れる音がした。

ぱた   ぱたり

「不思議ね・・・・」
聞こえるはずのない音に、彼女は目を閉じ聞き入った。
光を揺らし、湖に降り注いだ小さな雫のかけらたちが、キラキラと儚い光を振りまきながら溶けていく様が、何故だか彼女にははっきりと見えていた。
溶けた光が、彼女の上にも降り注ぐ。
・・・と、それが体に触れたところから、何ともいえない哀しみが広がってくる。
自分の、ではなく。
そう、それはきっと、「彼」の―――

「ああ」
それを悟った瞬間、彼女は初めて顔を覆った。

―――泣いて いるのね?

ぱた  ぽたり

ひとつ ふたつ 銀の雫が後から後から湖に溶け込んでは、哀しみの色に染めていく。
たまらず彼女は、水面の光に向かい手を伸ばした。
哀しみを取り除いてあげたくて。
今もまだ自分が飲み込まれていった青い底を見つめたまま、佇んでいるその人の涙を拭いてあげたくて。
(泣かないで。 泣かないで、いいよ)
届かないその腕を、それでも彼女は必死に伸ばした。
少しでも、伝えたくて。
その体を、抱きしめてあげたくて・・・・・・・。






体は 沈んでいく。
深い青に包まれていた体は、やがてまばゆいばかりの光の海に辿り着き、その中に飲み込まれていった。
(星に 還るのね)
怖くはなかった。それは、とても温かかったから。
星を巡る流れに自分の体と意識が溶けていくのを感じながら、彼女は静かに語りかけた。
「――ね、泣かないで。クラウド・・・・」

両の腕の輪郭が、やがて淡く溶けてなくなるまで彼女は腕を伸ばし続けた。
そうして最後の瞬間、降ってきた雫のかけらたちを愛しむようにそっと抱き寄せ、彼女は笑った。
抱きしめたかけらたちに唇を寄せて、そっと囁きながら。

「心は 星に還るの。そうして きっと――・・・・・」








湖面を揺らし、風が吹き渡る。
髪を撫でていくその風の中に、優しい声を聞いたような気がして、クラウドは顔をあげた。
「・・・・エアリス?」
彼の声をのせ、風はゆるやかに湖面を滑っていく。
ほんの一瞬感じた懐かしいぬくもりに、クラウドは目を閉じた。
瞼の奥の大事な面影に、もう1度出会うために。





『心は 星に還るの。そうして きっと あなたを抱きしめにいくから――・・・・・・』









PR
Post your Comment
Name
Title
Mail
URL
Select Color
Comment
pass  emoji Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
Trackback
この記事のトラックバックURL:
 HOME : Next 
カレンダー
06 2024/07 08
S M T W T F S
1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31
フリーエリア
最新コメント
[03/29 優]
[01/31 優]
[01/26 優]
最新トラックバック
プロフィール
HN:
のり
性別:
女性
自己紹介:
FF:FF7(エアリス中心)、ディシディア(割とオールキャラでワイワイ、カプだとオニティナ)
リボーン:霧っ子、黒曜っ子中心。むっくろ(むくなぎ)幸せになって・・!
バーコード
ブログ内検索
P R
アクセス解析

カタコト wrote all articles.
Powered by Ninja.blog / TemplateDesign by TMP  

忍者ブログ[PR]